メンテナンス・お手入れ方法

 

毛皮

 

・着用時の注意点

 

毛ぐせがついた時

濡れたタオルで毛先の部分を軽く濡らすか、または霧吹きで軽く水を吹きかけます。
あとは、金グシで毛並みを整え、日陰干しで自然乾燥させれば、たいていのクセはとれます。
ただし、その際に皮の部分まで濡らさないように十分気を付けて下さい。

 

雨、雪などで濡れた時

雨や雪で濡れた場合は、よく振って水を切ったあと、乾いたタオルでていねいに拭き上げ、ゆっくり日陰干しで自然乾燥させましょう。
万一、皮まで濡らしてしまった時は、面倒でも購入店または専門のクリーニング店に早めに相談しましょう。
大量の水分を吸った皮は、なめしが戻って硬化したり破れてきたりする場合がございます。
また、雨の日は色が移行する場合があるので、薄い色の物は濡れた物と接触しないように注意して下さい。

 

コーヒーやジュースなど飲み物をこぼしてしまった時、汗や皮脂により汚れてしまった時

 すぐにティッシュペーパーなどを使って、水分を吸い取りましょう。
その後、固く絞った蒸しタオルで、軽く叩き出すようにして汚れを取り除きます。
汚れた水分が広がらないよう、また、皮の部分まで染み込んでいかないよう注意します。
見た目はきれいになっていても、糖分が残っていたりすると虫食いの原因になります。
繰り返して丁寧に処理しましょう。
汗、皮脂など油分によって毛先がまとまってきた場合も同様に、軽くブラッシングしながら蒸しタオルで軽く叩き出すようにして油分を拭き取ります。
なお、白系統の毛皮や汚した箇所が広い場合は、プロに任せた方が安心です。

 

火気厳禁

毛皮は熱に非常に弱く、注意が必要です。
裏地にアイロンをかけた場合、皮の部分まで熱が加わると熱収縮を起こし、硬化・破れの原因となります。
ハンガーに吊るしてもとれないようなシワは、プロに任せましょう。
また、タバコやライターの火などは、瞬時に毛先を焦がしてしまいます。
ストーブの近くに置くのも注意して下さい。
裏地側も同様に熱には十分お気を付け下さい。
皮を取り替えることで修理できるのが毛皮の利点ですが、広範囲に及ぶと費用も時間もかかってしまうので、気を付けましょう。

 

摩擦注意

ブレスレットや腕時計による袖口のスレ、ショルダーバッグによる摩擦には、十分注意しましょう。
また、長時間の車の運転やバイク、自転車に乗ることも、摩擦による毛のスレや折れを生じるので注意が必要です。
ブラッシングは毛流れに沿って軽くして下さい。

 

臭いに注意

毛皮は臭いを吸収しやすい性質を持っています。
毛皮を着たまま、香水やヘアスプレーをつけることは避けましょう。
香水やヘアスプレーが毛皮に直接かかると、鞣しの際の薬品が化学変化を起こすこともありますし、また黄変などのシミの原因にもなります。
その他、タバコや防虫剤などの臭いにも注意が必要です。

 

・シーズン中のお手入れ

 

ホコリを落す

外出から帰ったら、軽く振ってホコリを落します。
コートやジャケットは、袖に手を通して振ります。

 

汚れを落とす

ぬるま湯に浸したタオルを絞って、皮まで濡らさないよう毛先だけを毛並みに沿って拭き上げます。
その後、毛並みを整えますが、静電気が起きないように金グシを使いましょう。

 

自然乾燥をする

そのあと、コートなら型崩れしないように広めのハンガーにかけて、風通しの良い日陰で自然乾燥します。
毛皮は熱に弱いので、どんなに急いでも直射日光に当てたり、ストーブなど暖房器具、温風のドライヤーやアイロンなどは決して使わないで下さい。

※ベンジンやシャンプーは絶対に使用しないで下さい。
毛がパサついたり、皮の部分まで濡らすと硬化の原因となる場合があります。
以上のような簡易クリーニングをしても毛先が重たく感じられるような場合は、相当ひどく汚れているので、専門のクリーニング店に出したほうが良いでしょう。

※日差しのきつい時、車内に毛皮・革製品を置いておく場合は、日が当たらないように布やコート等をかけて日焼けによる変色・退色対策をしておきましょう。

 

・保管時の注意

自宅での保管の前には、前述のシーズン中のお手入れを行い、必ず汚れを完全に取っておくことが前提となります。
汚れたまま保管すると、害虫がつく原因になるからです。

 

光・ホコリ・湿気対策

変色・退色防止の為、必ず暗い所で保管して下さい。
長時間、日光や蛍光灯などの紫外線に当たると変色・退色の原因になります。
また、ホコリは、毛皮を傷め毛抜けの原因になります。
通気性のあるカバー(ビニールカバーは通気性がないのでカビの発生の原因になる場合がありますのでご注意下さい)を掛け、光とホコリを遮断します。
梅雨時など、湿度が高い季節は除湿機をかけるなど、十分ご注意下さい。
(湿度計を置いてチェックし、湿度の低い部屋へ保管するなど)湿度の高い季節、真夏の気温の高い季節は、エアコンのかかった生活空間に出しておくと良いでしょう。

 

硬化・カビ・虫喰い対策

高温、多湿の場所はカビその他の原因となります。
通気性の良い、涼しい場所に保管して下さい。
保管の理想的な状態は、温度が10℃以下、湿度が約50%とされています。
厳密に守らなければならないものではありませんが、暗冷な通気性の良い所で、毛が押し潰されることのないようゆったりと収納し、防虫剤を活用します。
防虫剤は、2種類以上を同時に使うと化学変化を起こしてシミの原因になる場合があります。
また、塩化カルシウム系の除湿剤を使用した場合は、除湿剤の溶液が付着すると極端な硬化・縮みが起き得ます。

 

ゆったりスペースで、毛並みを保護

 コートは、型崩れしないように幅広のハンガーにかけて、ボタンを留め合わせて保管します。その際、ポケットに物が入っていないか必ず確認して下さい。(型崩れ、カビの原因になる場合があります)毛皮が押し潰れないように前後の間隔を十分にとって、クローゼットに吊るします。(びっしりくっつけて置いておくと衿などが毛クセになります)ハンガーにかける際、裏地(肩の部分)がシワにならないように注意して下さい。ストールやマフラー等も、同様にするか箪笥や箱に入れて、折らずにまっすぐ伸ばして保管するのが理想です。型崩れしないようにお気を付け下さい。時々、洋服ダンスを開けて風通しをしましょう。

 

・クリーニングについて

クリーニングに出す場合は、毛皮専門のパウダークリーニング法を指定しましょう。
毛皮にドライクリーニングを施すと、皮部分に加脂した必要な脂まで除去され、硬化・破れを引き起こしたり、毛の艶がなくなったり、パサついたりしてしますからです。

 

パウダークリーニング法について

 毛皮をクリーニングに出す場合は、必ず「毛皮専用のパウダークリーニング法で」と確認して下さい。パウダークリーニングとは、油脂分や色素の少ないカエデやトウモロコシの芯などから作られたパウダーに洗剤を染み込ませ、毛皮と一緒に回転洗浄機に入れるもので、パウダーに汚れを吸着させてとるソフトなクリーニング法です。この方法でクリーニングされた毛皮は、通常は毛・皮とも損傷(硬化・破れ・毛抜け・変色)は起こり得ません。なお、クリーニング料金は、素材やデザインにより異なります。また、クリーニングに出す場合は、相当期間着用した後であるため、購入時に比べて何らかの劣化(損傷)は必ず起きていると言えます。クリーニングに出す際は、全体的な毛皮及び皮の状態をチェックし、損傷程度をクリーニング店と相互に確認し合いましょう。

 

皮革

 

・表革製品

 

ご注意点

皮革は水分に大変弱く、水ぶくれができたり、また色やけしたり色落ちして衣服を汚す原因となりますのでご注意下さい。
また、水分を含んだ状態で置いておくとカビの発生の原因になりますので十分ご注意下さい。
雨の日は、色が移行する場合があるので、薄い色の物は濡れた物と接触しないようお気を付け下さい。

ヌメ革は、色やけや水を吸ってシミになりやすいので特にご注意下さい。

 

お手入れ方法

  • 軽い汚れは、乾いた柔らかい布で乾拭きして下さい。
  • お手入れは市販の専用クリーナー、クリーム(スムース革用、マット革用)を必ずご使用下さい。
  • 水に濡れた場合は、すばやく柔らかい布で軽く叩くようにして水気を取り、陰干しして下さい。
  • あらかじめ専用の防水スプレーをかけておきますと汚れや水から製品を守ります。
  • 汚れて高温多湿の状態で保管しているとカビの原因になりますのでご注意下さい。
    通気性の良い布などに包み、風通しの良い場所に保管して下さい。
  • BAGは、中に新聞紙などつめ物をしておくと良いでしょう。型崩れ防止になります。

 

・起毛革製品(スエード、ヌバックなど)

 

ご注意点

起毛革は性質上、色落ちを止めることはできません。ご了承ください。
特に水に濡れると色ムラやシミの原因となったり、色落ちで衣服を汚す事がありますのでご注意下さい。

 

お手入れ方法

  • 毛のブラシでブラッシングすれば、汚れも取れ毛足も揃います。
  • 汚れた場合は、消しゴムタイプの市販の専用クリーナーで落して下さい。
  • 皮革用クリーナー、クリームはシミになりますので使用しないで下さい。
  • あらかじめ専用の防水スプレーをかけておきますと汚れや水から製品を守ります。
  • 一部革を使った製品については、革部分は革のお手入れをして下さい。